ガソリン携行缶は誰もがガソリンを持ち運び出来る便利な物です。
災害などのときの保管用としても大変重宝します。
しかし、中に入っているものは、『第4類危険物第一石油類』という消防法で定められている危険な液体です。間違った使い方をすると大惨事につながることもある為、正しい正しい使い方を理解しておきましょう。
1、禁止事項
携行缶を使用すれば誰でもガソリンを持ち運びする事は可能ですが、一般の人が自ら携行缶に給油する事は消防法で禁止されています。
つまり、セルフスタンドに携行缶を持って行き自分で携行缶にガソリンを入れる事は出来ません。
携行缶にガソリンを入れてもらいたい場合は、フルサービスのスタンドに行き、必ず店員に入れてもらいましょう。
セルフスタンドでも店員が入れてくれる所も有るようですが、一部禁止している所もあるようなので、確実に入れてもらいたい時はフルサービスのスタンドに行くようにしましょう。
乗用車でトランクなどでガソリンを運搬をする際は、金属の容器で22L以下、運搬車(軽トラなど)では60L以下としなければなりません。
つまり、乗用車は20L缶であれば「1缶」、軽トラでは「3缶」ということになります。
そして、基準に違反した者は、3カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられますのでご注意下さい。
当店でも、数量以上のご購入はお断りさせて頂いております。
2、使用手順
携行缶が熱を持っていない事が大前提になるので、熱くなっている場合は常温に下がるまで待ってから使うようにして下さい。
そして、近くに火の元がない事を必ず確認して下さい。
➀携行缶を平らな場所に置く
ガソリンは揺れると静電気が発生する為、平らな場所に置き、中のガソリンの揺れが落ち着くのを待ちます。
➁エアー調整ネジを少し緩めて、中の圧力を下げる。
ガソリンは揮発性が高い為、−40℃でも気化します。その為、携行缶の内側には高い圧力ががかっています。エアー抜きをせずにキャップを開けると内部の圧力でキャップが吹き飛んだり、中のガソリンが噴き出る恐れがあるので、エアー調整ネジを少し緩めて「シュー」という音がしなくなるまで待ちます。
➂キャップを開け給油ノズルを取り付ける
「シュー」という音がしなくなり、エアー抜きが完了したら、ゆっくりとキャップを開け、給油ノズルを取り付けます。
➃エアー調整ネジを締め車などに給油する
この時にエアー調整ネジが開いたままだと、隙間から空気が入り込み、ノズルから大量のガソリンが流れ出る事を防ぐ為です。
➄使った後はネジとキャップを締める
どちらかが開いたままだと残った気化したガソリンが漏れたり、内部が錆びたりする事があるので、使用後は確実に締めましょう。
一度使った携行缶に再びガソリンを入れる時は、気化したガソリンが残っていて内部の圧力が高くなっている事があるので、エアー調整ネジを緩めてエアー抜きをしてから使用して下さい。
3、まとめ
2013年に京都市福知山の花火会場で起きた爆発事故を覚えているでしょうか。
あの事故は、エアー抜きをせずに発電機に給油した為、炎天下で熱せられ、気化したガソリンに引火した可能性が指摘されています。
一人の誤った行動により、死亡者まで発生した大惨事となってしまいました。
他にも間違った携行缶の使い方をした事で起きている事故は、年間千件以上も発生していると言われています。事故を未然に防ぐ為にも正しい使い方を確認しておきましょう。
参考記事
森隼人
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