シミやキズが気になるときは、我々プロのいるショップに持ち込んで頂くのがベストなのですが、ご自分でボディーの研磨を行って取り除くことも可能です。
が、研磨作業をする上での環境や間違った道具を使っての磨きによってオーロラマークを作ってしまう事があります。
また板金に出したら「モヤモヤ」になって帰ってきた!とか、地元のコーティングショップに頼んだら不思議な「モヤモヤ」が消えない!などなど・・・しまいには「キーパープロショップ」に頼んだら・・・なんてこともあるんですよ。
実はきちんとした知識や工具、見極めるための目が必要な研磨作業・・・
その中で発生してしまう「オーロラマーク」についてまとめてみました。
オーロラの正体
オーロラ(オーロラマーク)と呼ばれている物の正体はコーテイングの下地処理や、キズ消しの為に行うボディー研磨の際に一定方向に付いてしまった磨き跡が取りきれていないが為にオーロラのような模様となって見えてしまっているものです。
実際のオーロラににてることから、この呼び名になっています。
オーロラを作ってしまう原因
・磨きに使う「バフ」(磨くためのスポンジなどのパッド)が汚れている為にキズが付く
・磨く「コンパウンド」(磨くためのクリーム状の液体)が荒すぎる(適切な物でない)
・適切な機械で磨けていない
・磨きを行う為の照明等の設備が整っていない
・経験と仕上がりを見る目がない
などの原因が挙げられます。
キズやシミなどを除去したいが為にお金をかけて磨きを行うのに、磨き跡=キズが残っている状態で戻って来たものならば本当にガッカリです。
とはいえ、よーく見ないと気付かないこともあります。
実際にあったオーロラの事例
ボディー上面に付いてしまった樹液を取ってもらったらオーロラだらけになって戻って来た。
当店で洗車をご利用されたお客様でした。洗車後の拭き上げをしていると、上面全体になんだかモヤモヤと・・・お引渡しをする際に担当したスタッフが、仕上がりの確認をしていただきながら話を聞いてみると、お客様「車屋さんに1年点検の時に樹液の跡が取れなくて、取ってもらったんです」という話でした。
日光が当たり、よりハッキリとモヤモヤが目立つようになっていたのでお客様もビックリ!!
お車にはコーティングを施工したとされるステッカーが貼ってあったので、スタッフ「これだけの磨き跡があるとなるとコーテイングも取れてしまっている可能性が高いですよね・・・」お客様「えっ??磨いてはいないって言われましたけど・・・?」スタッフ「・・・??。この磨き跡は何なのでしょうね???」
オーロラの原因となってしまう事などを詳しくお話させて頂き、車屋さんに相談してみて下さい。とご提案をした所、後日2~3日お車を預けるようになったとのことです。
とてもガッカリしていたようですが、見て見ぬふりは出来ませんでした・・・。
キズを消してもらいに修理に出したら・・・
このケースは当店でコーティングを施工して頂いていたお客様でした。
車をぶつけられてしまい、修理後のドアパネル1枚分のコーティング再施工をお願いされ、その分のお見積りを提示し、その日はお帰りになられたのですが、修理を終え部分施工当日・・・
施工前にスタッフが施工箇所とお車の状態を見せてもらうと、ドア1枚分だったはずの修理箇所以外のお車半分全体にオーロラがモヤモヤと現れていました。
さすがに見て見ぬふりはできず、オーロラが出来る原因を説明し、スタッフ「ここまで磨かれてしまっていると・・・その部分のコーティング全体まで削られてしまっていますね。」という事で再施工は延期になり、オーロラを消す作業をし直してもらってからドア1枚分だったはずの部分施工代金が、3枚分の料金になってしまったお客様もおられます。
※その他にも、研磨作業によって犬に付けられたキズを消してもらった所オーロラができ、それを消してもらうのに再修理を頼んだものの、ドア全面がオーロラになって帰って来たお車など・・・その他にも事例が多く存在しているのも事実です。
オーロラを作らない設備や道具が揃っているお店を選ぼう
上記でも簡単に説明したようにオーロラが出来る原因は様々ありますが、その多くが技術はもちろんですが、その磨きの質を上げるための専用の照明設備であったり、車種や色に応じた「ポリッシャー」(磨く機械)や「コンパウンド」「バフ」が揃っていないお店に頼むとオーロラになってしまう場合が多いと思われます。
磨きに必要な照明
狭い範囲で光を当てる特殊な光源が必要になります。
これ最低の条件です。この照明器具から間違えているお店もあります。
このように、点でキズや仕上がりを確認します。
(ボディの色によって、光の色も変えていきます。)
工具
キズを消す為に「シングルポリッシャー」という研磨力が強いポリッシャーだけを使用して研磨作業をすると、オーロラに仕上がってしまう事が多いですし、磨きに使うコンパウンドも粗さを間違えるとキズを消す為の作業が逆に磨きキズを増やしてしまう結果にもなるでしょう。
・車種によって、「ポリッシャー・コンパウンド」を選択する。
・仕上がり段階、ダメージ具合によって、「ポリッシャー・コンパウンド」を選択する。
・最低3~4種類の「ポリッシャー」、7~10種類の「コンパウンド」、5~7種類の「バフ」が必要。
また磨き過ぎないための「膜厚計」を有することで、しっかりとギリギリまで磨くことができます。
※キーパープロショップの場合
キーパープロショップは1種類のポリッシャーと、2種類の「コンパウンド」を使ってすべての車を磨きます。
また光で仕上がりを確認するという工程は存在していません。
ですがこの道具を正しく丁寧にマニュアル通り使うことによって、一般的なキーパースタッフなら「おおまかに80%は仕上がる。」ようになっていて、オーロラも出にくくはなっています。
そのかわり、強いダメージが除去できない、細かいキズが消え切らない、新車時のツヤまでには至らないなど限界があります。
が、だいたいキレイになります。
このように、「磨き」と言ってもお店によって使う道具も知識も技術も違うので、求める仕上がりによってお店を選択することが必要です。
だいたい仕上がれば・・・なら「キーパープロショップ」でOKです。
ちゃんと仕上がるなら、当社のような専門技術のあるお店を探す必要があります。
そして、各ディーラー、板金屋さんは仕上がりにくいということを覚えておいてください。
まとめ
当社ではボディの「磨き」は、本来のツヤを120%引き出すための作業と考えています。
しかし、一般的に行われているのは簡単に作業をして、「オーロラ」を出してしまうような作業が横行しているのが実態です。
細かいことは気にしない・・・という方は別として、キレイに愛車を乗り続けるためには、ちゃんとしたショップ選びが大切です。
もし、ご自分のお車で「気になる箇所が・・・」ってことがあれば、お気軽にご相談ください。
参考記事
本柳剛史
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